日本対カメルーン戦当日。
ブルームフォンテーンのスタンドに映る、青と黄のユニフォーム。
その光景はなんとなく、4年前のカイザースラウテルンを思い出させた。
あの時は先制したけれど、終了間際に3失点。
試合後のスタンドに呆然と立ち尽くしたのを覚えている。
しかし今回は違った。
1−0。
チャンスは少なかった。
後半はいつ追いつかれてもおかしくないような展開だった。
見栄えのサッカーだとはお世辞にも言えない。
それでも、日本は勝ち点3を手にした。自国開催以外のワールドカップで、初の勝利。素直に評価していいと思う。
終了のホイッスルが鳴った瞬間、思わず手を握り締める自分がいた。
試合後、ブルームフォンテーンの空港へ向かう。
出発ロビーのベンチに中村俊輔が座っていた。
3月にバルセロナ空港で別れてから、久しぶりの再会だった。
日本代表のチャーター便の飛行機が発つまでの間、いろんな話をした。
終わったばかりのカメルーン戦について。出番がなかったことについて。そしてこれからについて。
この4年間、彼が日本代表のことをいつも考えて過ごしてきたことを、僕はよく知っている。次のオランダ戦、ピッチに立つ姿を見てみたい。
やがて日本代表のチャーター便が飛び立つ。さて僕も乗ろうかと思い席を立つと、1便はキャンセル、さらにもう一便はディレイ。
幸いにも僕の便はディレイ。
カメルーン戦の余韻に浸りながら、例のプロペラ機を待つとするか。